家族信託コラム4

家族信託と遺言は併用できる?

 家族信託と遺言には様々な違いがあります。併用可能ですが、条件に齟齬がある場合優先されるのは家族信託です。

財産の円滑な承継を実現するという点では、家族信託も遺言も同じです。また、家族信託は遺言の役割も担うことから、「家族信託をすれば遺言書を書く必要はないの?」「遺言書を作成したら家族信託は利用できないの?」など、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

そういった方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。

 

家族信託と遺言の違い

・二次相続以降の資産承継先の指定

 一次相続後に残された配偶者(父または母)も亡くなり、子どもだけが相続人となる相続を「二次相続」と言います。この二次相続において、資産の承継先を指定できるのは家族信託のみです。

 

・生前の財産管理

 家族信託は生前のうちに財産の管理を信頼できる人に託すことができますが、遺言は亡くなってから初めて効力を発揮するため、生前に遺言で指定した人へ管理を任せることはできません。

 例えば、遺言書にすべての財産を記載していても、生前に認知症になってしまうと亡くなるまでの間は資産が凍結します。家族信託をしておけば認知症になっても信頼できる家族が財産を管理することになるため、資産凍結の心配はありません。

 

・内容の変更

 遺言は本人の意思で作成するため、本人が後から自由に書き直しや撤回をすることが可能です。一方で家族信託は契約となるため、両当事者の合意なしに契約内容を変更することはできません。

 

・費用

 遺言書は法的に有効な書式であれば自身でも作成可能です。また、専門家に依頼した場合、費用相場は15~40万円ほどです。

 一方で家族信託は自身で行うことは難しいため、専門家に依頼することになります。その場合の費用相場は25~50万円ほどです。

 

家族信託と遺言は併用できる

 例えば、以下のような場合は家族信託と併せて遺言書を作成しておくことをおすすめいたします。

  • 特定の人に渡したい財産があるが、それは信託できない財産である
  • 信託したい財産としたくない財産がある
  • 家族信託契約締結時には存在していなかった財産がある
  • 認知や未成年後見人の指定など、身分行為について定めたいことがある

どちらが優先される?

 家族信託と遺言を併用した際に考えられるケースとして、条件の齟齬があります。作成のタイミングによっては内容が食い違うこともあるでしょう。そのような場合、優先されるのは家族信託契約の内容です。なぜなら、遺言制度は一般法である民法に基づく制度で、家族信託は特別法である信託法に基づく制度のためです。原則として特別法が一般法よりも優先されるため、遺言書作成後に家族信託を締結した場合でも、家族信託締結後に遺言書を作成した場合でも、家族信託が優先されます。

 

 所有する財産を特定の人へ円滑に承継させるという点では家族信託も遺言も同じです。しかし、二次相続以降の資産承継先を指定したり、生前のうちに財産の管理を託したりできるのは家族信託のみ、後から内容を変更できるのは遺言のみなどの違いがあります。信託できない財産を特定の人へ渡したい、信託したい財産としたくない財産があるといったときには併用可能ですが、内容が食い違う場合家族信託のほうが優先されるためご注意ください。


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